デビュー作"Vanbot"の清冽で涼やかな出来は隠れ名作として記憶に新しい彼女(少なくとも私の中では)。本作では各曲のタイトルにロシアの都市名が入っており、Vuurのような街コンセプトアルバムなのかな?と思いきやそれだけでなく、Ester Ideskog嬢がシベリア鉄道でモスクワ〜北京までの17日間、車中で書いた楽曲群だというから驚きだ...つまり本作は9,000km以上に渡るロードムービー、紀行文である。例えば"Stay With Me (Perm)"におけるポリフォニックは鼓動と列車の揺れの重なりを想起し、"Hard To Get Used To (Baikal)"ではバイカル湖が悠久に湛える水の囁きにも似た神秘性を帯び、"Louder (Ulan - Ude)"では延々続くタイガの森の清明さと畏怖を感じ取ることができる...まあタイトルの地名と結びつけて適当言ってる訳ですが、こうした聴き方ができるのもまた新鮮。真の意味でシアトリカルな作品であることは間違いない。
そういえば1stアルバムではEster嬢が大半の時間をサイクリングをしながら制作をしたということを考えると、Vanbotのモバイル・レコーディング手法はエレクトロ界に新たな風を吹かせてゆくのかもしれません。
【Favorite Number】Stay With Me (Perm) / On The Fly (Omsk) / Fiction (Listvyanka)
![]() | Siberia Vanbot 曲名リスト 1. Not That Kind (Moscow) 2. Stay With Me (Perm) 3. Yekaterinburg 4. On the Fly (Omsk) 5. Collide (Krasnoyarsk) 6. Hard to Get Used To (Baikal) 7. Fiction (Listvyanka) 8. Louder (Ulan-Ude) 9. Wasted (Terelj) 10. Close Enough (Ulan Bator) 11. Stuck in Between (Yak – Moscow Airport) SoundCloudで詳しく見る |

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