"The Dark Goddess"から1年足らずでリリースされた本作。テーマ的にも、音楽性も幾分薄味になった印象の前作から本来の彼ら…前々作"Viva La Muerte"の作風に揺り戻してきた印象です。Sabbatの象徴的存在"Goat"をタイトルに掲げ、フォークギターとアコーディオンの調べに乗って疾走(失踪)する冒頭曲が全てを物語っている…「13」作目ということで並々ならぬペイガン魂を感じるな…!
Candia嬢による存外にキャッチーな歌メロはこれまで通りで、やはりNebelhexeやSaints Of Ruinなどの80'sを髣髴するデカダン・ビートロック、或いはケルティックの香り漂うFolk-Rockが戻ってきたのは嬉しい限り…アルバム全体の印象がとっつき易くなった感があります。そして彼らのソウルソングとも言える初期の代表曲"Pagan Born"(2nd"Wytches"収録)のAcorstic Versionが。太陽神の下に集い生まれ変われ(=一旦死ね)的なネオ・ペイガニズムのメッセージは、単にInkubus Sukkubusをオカルトとは括れない、従来の悪魔崇拝的なイメージから分離した一種のロマン主義的な匂いさえする。
とはいえそこら辺、日本人の我々にはあまり理解できないデリケートな概念なので精神性、音楽性ともGothicの世界を本質的に体現している希少なアーティストとして注目する程度で良いんじゃないでしょうかね。あとはマジョリティ(≒基督教)に対するペイガンを、メインストリーム音楽に対するAlternativeといったカウンター思想的に置き換えて認識するものありかと。
【Favorite Number】 The Goat / Two-Penny Whore / Rites Of Pan / Fire & Ice

![]() | The Goat Inkubus Sukkubus 曲目リスト 1.The Goat 2.Sweet Fallen Angel 3.Gone 4.Two-Penny Whore 5.Forever 6.Rites Of Pan 7.Pagan Born [Acoustic] 8.Fire & Ice 9.Breath Of Wanting 10.Melancholy Blue Amazonで詳細を見る |
Inkubus Sukkubus - The Goat | Inkubus Sukkubus - Pagan Born |
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