2010年08月23日

少女病 / 告解エピグラム(2010)

C78戦利品シリーズ第1弾、同人音楽ユニット少女病のインディーズ7th。

昨年末ランティスよりメジャーデビューを果たし、大手サークルとして知られる彼ら。物語性に富んだ世界観をMitsuki、Lico二人の歌姫とシンフォニカルなロックで織り成すスタイルで年間2タイトル(フル+EP)をコンスタントに発表。さらに特筆すべきは豪華声優陣の起用で、これまでに沢城みゆき、平野綾、神谷浩史、田中理恵ら錚々たるナレーションがその世界を彩り、既に同人音楽シーンの枠を超えた活動を展開してきた訳です。

今作でもその巧緻に練られたストーリー性は秀逸。以下ネタバレにつき各自反転で。
とある不思議な館に辿り着いた少女フィーナ。そこに来た理由も場所も、そして出る方法も解らず、つまり一切の記憶がない彼女。怪しげな執事に導かれ、仮面の客人達が次々と告白する数奇な物語。それは煌びやかな舞台女優、病床の父を持つ娘、双子の家庭教師を受け持つメイド等々のエピソード。それらは何れも大切な人との別れや主人公自身の非業の死など過酷な運命を辿る。やがてこれらの物語はフィーナ自身が「もし生きていたら起こり得た幾つもの可能性」を示唆するものだと執事によって告げられる。彼女が此処へ来た理由・・・それは「救いなんて、いらない」と言い遺して自ら命を絶ったことによるものだった。
これが7曲目「錆びない言葉と錆びない指輪」までのあらすじ。この先は実際に作品に触れて感じて頂きたいのですが、絶望と葛藤から可能性を照らす光に気が付くまでのビターファンタジーな物語12編です。特典のアナザージャケットには「この結末が幸せなものであるかどうかは、解りません」と記されているが、扉の向こうの無限の未来を示唆するラスト。私的には答えは自明だと思った。

音楽面では疾走するシンフォニア満載のロック。なにより今作は大御所・子安武人氏と、今をときめく小早川凛子役で知られる丹下桜さんによるナレーション。ダグオンファンやラブプラス厨、引きこもり、クソゲーな現実を生きる人、子供を持つ人、そしてこれから親になる人に特にお薦めしたい、音楽で綴られた「生きる意味を問う物語」である。

告解エピグラム告解エピグラム
少女病

曲名リスト
1. 忘れ去られた神聖四文字
2. 少女は悠久に沈んで
3. Double Cast
4. 冬の星座
5. 双子少女のみる夢は
6. 無為な羽音が壊した明日
7. 錆びない言葉と錆びない指輪
8. セカイの調律した祈り
9. エフティヒア
10. fine

Amazonで詳しく見る


導きのハーモニー
霜月はるか
B0035Z95MG
El Fin De La Infancia
Barbarian On The Groove
B001BEK30Q
Ende der Traeumerei(エンデ・デア・トロイメライ)
AYUTRICA
B001TOI5RQ
posted by kerkerian at 23:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | Alternative | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック