2012年06月29日

Desdemona / Endorphins(2012)

ポーランドのIndustrialバンドによる4thアルバム。

同国の表世界ではEURO2012が催されている頃、アンダーグランドでは暗黒マスカレード・ショウが夜な夜な繰り広げられていた…!Desdemonaの7年振りの再起動は、2012年の暗黒エレクトロ勢の大豊作を象徴するかのような出来事だ…そして本作の内容もまた素晴らしい…!元々"Gothclash"とも評される深淵なGothicと煽情的なElectroが織りなすサウンドを標榜する彼らは、より強靱さとメロディアスさ、そしてバリエーションを携えてシーンに帰還した。

中でも、ミッドテンポのシンフォニアによる艶めかしい"Sorrow"は出色。Agata嬢の朗々とした歌唱、狂おしいまでの呻き、神々しいオペラボイスと一粒で3度の美味しさ。カリスマ・インダストリアルディーヴァの威厳を見せつけます。バックを支える3人も、バンド感とクラブサウンドの絶妙な匙加減を演出。見てくれはマッチョマンだが、眩いばかりのインテリジェンスが暗黒トランシーとともに輝く。円熟のアルバムといえよう。

【Favorite Number】 Bring In All / Sorrow / Let's Play Love



EndorphinsEndorphins
Desdemona

曲名リスト
1. Bring In All
2. Desdream
3. Poison
4. Jealous Sky
5. Devil’s Game
6. Sorrow
7. Let’s Play Love
8. In Flames
9. Euphoria
10. XXX

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Desdemona - Bring In All
Desdemona - Sleepwalkers


Order of the Reptile
Ego Likeness
B000FP2IWI
Breaking Ground
Delight
B00142RX1M
Dotyk + 55 Minutes
Batalion D Amour
B000ANDAMC
posted by kerkerian at 23:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | Electro | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月24日

Loquat / We Could Be Arsonists(2012)

米Electro-Popバンドによる4年振りの3rdアルバム。

カレッジ音楽(CMJ)チャート界隈では広く名の知れた彼ら…1stの"It's Yours to Keep"、2ndの"Secrets of the Sea"と、ネオアコにElectroを塗したサウンドは中期のEverything But The Girlと形容される作風だった。しかしそれ以降、メインソングライター+ギタリストとキーボーディストの交替劇によりマイナーチェンジが施され、今作ではよりオーガニックになったLoquatが聴ける。

サウンド面は新メンバーの個性がそのまま反映されており、Shoegazer的奥行きのあったギターは所謂ギタポ的な音作りに取って代わり、Programing要素の大きかったKeyはピアノやSynthによるNew-Wave的彩りを添える形に。しかしバンドの核はやはりKylee嬢。ノスタルジアを湛える歌声と、よりメロディアスさを増した楽曲群が紛れもないLoquatブランドの輝きを放つ。ラストの"Up Late"はドラムン+エレクトロとオーガニック路線が50/50で融合したLoquatの集大成的な名曲。この作風で4thに取り掛かって欲しい…今すぐ。

全体としてはクラブっぽさから爽やかポップスにシフトした本作。一昨年のSilent Auction、昨年のVanbotに続いて、今夏のクールダウン・ポップスはLoquatに決まりだ…!

【Favorite Number】 Rumbling / Change of Scenery / Up Late



We Could Be ArsonistsWe Could Be Arsonists
Loquat

曲名リスト
1.Time Bending
2.We Could Be Arsonists
3.Monsters
4.Seeds
5.Rumbling
6.Change Of Scenery
7.The Legion
8.Walk Out
9.Kindling For Fire
10.Up Late

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Loquat - Time Bending
Loquat - Rumbling


Blue Tofu
Blue Tofu
B00005NQHD
Red Trees
Lisa Papineau
B001YIJOX6
Bathtub
Fono & Serafina
B000YAH7UC
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2012年06月21日

Akphaezya / Anthology IV: The Tragedy of Nerak(2012)

仏Avant-Garde Metalバンドの2ndアルバム。

先のレビューで大激賞のNehl Aelin嬢を擁する彼ら…チャプター立てのアルバムタイトル、冒頭のシアトリカルな"Prologos"〜長尺の"A Slow Vertigo"と、まずは形からProgressive魂を見せつける。全体としての第一印象は「上品なアヴァンギャルド・メタル」。Electroを巧みに散りばめ疾走するが、落とすところではピアノによるクラシカル路線に様変わりする。中には"Dystopia"のように全編アコースティックなバラードもあり、このメロウ・サイドこそがAkphaezyaの魅力であり、Nehl嬢の歌唱を存分に堪能できる箇所と言えよう…!

勿論"Utopia"や"Nemesis"のようなはっちゃけサーカス楽曲ではNehl嬢のコケティッシュな七色ボイスが炸裂して、さすがアヴァン界を代表する女優っぷりを見せつける。しかしこのAkphaezyaそのものに、漠然とした物足りなさを感じるのは何故だろう…それは先にNehl嬢の才気迸るソロ作を聴いてしまっているからだ…!Akphaezyaは楽曲も魅力的で演奏陣の技量も申し分ない。だがClassicやJazzを飲み込んでいるとはいえ、「所詮」ロックを逸脱したものではない。Nehl嬢には最早そういった音楽フォーマットによる縛りはマイナスにしかならない。あれだけの異次元アルバムを聴かせ付けられてしまってはな…!

繰り返すがAvan-Garde Metal作品としては素晴らしい。しかしカリスマを活かしきれていないという点で、残念さのほうが上回る。俺にはそんなアルバムでした、っと。

【Favorite Number】 A Slow Vertigo / Hubris / Genesis / Nemesis



Anthology IV: The Tragedy Of NerakAnthology IV: The Tragedy Of Nerak
Akphaezya

曲目リスト
1. Prologos
2. a slow vertigo
3. Sophrosyne
4. Utopia
5. Hubris
6. Transe H.L. 2
7. genesis
8. Dystopia
9. nemesis
10. Harsch Verdict
11. epilogue

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Akphaezya − Nemesis
Akphaezya − Nemesis(Live)


Why So Serious?
Fluxious
B004LV32MC
The Old Man and The Spirit
Beyond The Bridge
B006L99I0M
Two Foot Yard
Carla Kihlstedt
B00007J4S2
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2012年06月18日

A. Wolf & Her Claws / A. Wolf & Her Claws(2012)

USミネアポリスのIndie-Popユニットによる1stアルバム。

SSWのAby Wolf嬢と、ドラマー+キーボーディスト+プログラマの4人体制による…正にその名の通り「A.Wolfとその爪」な、実質ソロプロジェクトである。Trip-Hopスタイルを軸としながらもR&B、Jazz、Avant-Folkのフレイヴァ―を漂わせ、オープンな雰囲気が特徴的だ。

Aby嬢のVoは、エレクトロ・ディーバ然とした歌唱からサウンドに溶け込んだインストゥルメンタリィな声まで、圧倒的なまでの表現力を誇る。よく引き合いに出されるBjork系は、歌い方のみを切り出せば類似点も多いが、A. Wolf & Her Clawsは基本ポップなメロディで、サウンドのみ清冽なSynth、ミニマルなDrumn'などでPost-Rock的、或いはExperimentalyな味付けを施している、表層のメジャー感と裏側のマニアック感が絶妙にブレンドされた、実にインテリジェンス溢れるElectro作である…至福ッ…!

【Favorite Number】 Rise Anew / Zero to 60 / Eyes On Me



A. Wolf & Her ClawsA. Wolf & Her Claws
A. Wolf & Her Claws

曲目リスト
1. Potion Jar
2. Rise Anew
3. Zero to 60
4. Eyes On Me
5. Alice
6. Pluto
7. Disassemble
8. All This Time
9. Drama Queen
10. Follow the Line

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A. Wolf & Her Claws - Zero To 60
A.Wolf & Her Claws - Drama Queen


Give You the Ghost
Poliça
B006ZKZXJM
Into the Trees
One Little Plane
B0074V5QHA
Sweet Prudence
Aby Wolf
B001UDY0DO
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2012年06月17日

Ryat / Totem(2012)

USエレクトロニカユニットによる1stアルバム。

コンポーザー/マルチインストゥルメンタリスト、Christina Ryatによるインプロヴィゼーション溢れる全11曲。The KnifeやZola Jesusを思わせるダークトロニカを軸に、サンプリングの再合成によって電子の破片が不規則なキラメキを放つカレイドスコープ的音世界を構築しておる・・・なかなかにDubbyで上級者向けのエレクトロだ・・・!

加えて相方でThe Mastのギタリストとしても知られるTim Conley氏が、エレクトロに有機的なスパイスを振りかけ、Ryatにオリジナリティを持たせている。またChristina嬢による歌メロはこのプロジェクトにおいては添え物の域を出ないが、DubstepやDrum'nはじめ様々な要素を飲み込んだ無機的な音世界において唯一の感情表現を聴いて取ることができ、自由に喜怒哀楽を放出するそのスタイルはNedryNehl Aelinを髣髴とする。

「即興音楽は私そのもの」と言い切るChristina嬢・・・このエレクトロ・マイスタリンがライブも見据えた計算とインスピレーションで、まさに「2度と訪れない瞬間」を切り出した本作。そんな刹那的な音の乱反射を是非堪能されたし。

【Favorite Number】 Howl / Footless / Raiz



TotemTotem
RYAT

曲名リスト
1. Windcurve
2. Owl
3. Howl
4. Seahorse
5. Hummingbird
6. Footless
7. Invisibly Ours
8. Object Mob
9. Invisibility Cage
10. Raiz
11. Jelly (Bonus Track for Japan)
12. Totem

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Ryat - Howl
Ryat - Codex(Radiohead cover)


House of Baasa
Zambri
B00795C5ZW
Illuminated People
Islet
B005V4GMTI
Evy Jane
Evy Jane
B007GR7G7K
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2012年06月10日

The Letter Black / Hanging on By a Remix(2012)

米Christian-Rockバンドによる2.5枚目のアルバム。

2.5枚目と言うのは、本作は2010年の2nd"Hanging On by a Thread"のRemix作品だからである。オリジナル作はタイトなHRを鳴らしつつキッズ受けするガーリーな感じも持ち合わせる…まあ凡百の域を出ない音だった訳ですが、様々なElectroアーティストと思しき人々(一人も知らないけど)によって大胆にRemixされた楽曲の数々は、清々しいまでのブッ壊れよう。只のRockがIndustrial文様にリフォームされた…!

Beyonceを思わせるソウルフルなElectro-Pop曲やスクラッチを多用した一昔前感が心地良いMixture曲、とりわけ原曲をGothic-Metalにしただけという捻らなさの"Dream On"がリリカルなTrip-Hop仕立てに生まれ変わっており、正しいカバーの在り方を思い知らされる。もういっそこちらを正規の"Hanging On By"としたらいかがだろうか…この路線が来たる3rdアルバムの伏線だったら最高なんだけど、果たして。



Hanging on By a RemixHanging on By a Remix
The Letter Black

曲名リスト
1.Away From Me (Pitch Black and Paranoid Mix)
2.Moving On (Don’t Let The Door Hit You Mix)
3.All I Want (Berlin After Dark Mix)
4.My Disease (Dirty Lazer Mix)
6.Better Luck Next Time (Guns Drawn Mix)
7.Collapse (Smooth Angel Mix)
8.Wounded (Too Much Light on a Strobe Light Mix)
9.Fire With Fire (N.Y.C. Amyl Nitrate Mix)
10.Perfect (Painful Mix) (from Breaking the Silence EP)
11.Dream On (Rapid Eye Movement Mix) (remix cover from Aerosmith)
12.Hanging On By a Thread (Cut The Cord Mix)
13.Moving On (Mike D’s Knox-Vegas Remix)

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The Letter Black - My Disease (Dirty Lazer Mix)
The Letter Black - All I Want(Berlin After Dark Mix)


Now
Fireflight
B006WWTKYW
Strange Case of
Halestorm
B0076L9W9Q
Cryoshell
Cryoshell
B004DDN1QU
posted by kerkerian at 00:58 | TrackBack(0) | Alternative | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月09日

Super 700 / Under The No Sky(2012)

独Alternative-Rockによる3rdアルバム。

前作"Lovebites"はアルバムオブザイヤー2009の中でもNo.1推しで、90'sオルタナのノスタルジアとメランコリアをふんだんに散りばめた名盤と言い切れる作品だった。

3年後の本作ではオーガニック路線にシフト。これまでのBlonde Redheadを思わせたIndie-Rockのダイナミズムは失われ、名曲"Tango"のようなキラー曲も存在しない一聴地味な内容だが、それでもSuper 700にしか為し得ないウェット感、息を飲むような美しさは一層研磨されている。Ibadet嬢の儚さ溢れる歌唱とピアノ、アコースティックギターによるミニマルな楽曲中心に進行するが後半の2曲、唯一のR&R系"Dear Wolf"とストリングスを大々的にFeaturingしたJazzyな"Make Rain"は出色。

The CranberriesAnneke van Giersbergenの最新作と並んで、2012年押さえておきたい大人のAlternativeである。

【Favorite Number】 Life With Grace / Decent Snow / Dear Wolf / Make Rain



Under the No SkyUnder the No Sky
Super700

曲名リスト
1.21st century girl
2.life with grace
3.decent snow
4.one of a kind
5.under the no sky
6.when the evening comes
7.old moon
8.dear wolf
9.make rain
10.my bones
11.queen of inbetween

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Super 700 - Under The No Sky
Super700 - Life With Grace


Cold Comfort
I Might Be Wrong
B000XTBBLU
Monument
Tu Fawning
B007OA0Y0A
Hundreds
Hundreds
B006CEF7TC
posted by kerkerian at 22:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | Alternative | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月08日

Stray / Letting Go(2012)

独darkwaveユニットによる2ndアルバム。

Unter NullことErika Dunham嬢によるアナザー・プロジェクトとして知られるStray…前作"Abuse by Proxy"はアルバムオブザイヤー2008入りした傑作であったが、本作はそれをも上回る名作の予感が既に漂う。

アグレッシブなEBMを標榜するUnter Nullに対し、Strayは叙情サイドという棲み分けで、Unterの最新作"Moving On"がクラシカル要素を垣間見せ若干Stray寄りになったのに対して、Strayは不変のファンタジー・エレクトロを鳴らす。Erika嬢のVoがリヴァーヴィーなのは同じだが前作のように楽曲全体がShoegazeに覆われてはおらず、開放的になった印象だ。メロディの輪郭が明確になった効果でポップ性すら感じる。

より深みと凄みを増したダーク・ロマンティカ…Eika嬢の充実振りが窺えるマーベラスな逸品だ。

【Favorite Number】 Remember Me / Let Me Go / 31 And Falling



Letting GoLetting Go
Stray

曲名リスト
1.Surround Me To Passage D
2.Remember Me
3.Let Me Go
4.The Failure Epihany
5.Out Of Place
6.No Vacancy
7.Low And Lower
8.31 And Falling
9.All I Wanted
10.Obsolete
11.Miles From Here

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Stray - Remember Me
Stray - Let Me Go


Underground
Krystal System
B001HJEWXO
Chain Letters
Neikka Rpm
B005X1P1KA
Implantology
Implant
B0025T4YQA
posted by kerkerian at 23:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | Electro | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月02日

Escarlatina Obsessiva / The Organ Grinder Songs(2012)

伯Goth-Rockユニットによる4thアルバム。

Vo/BassのKarolina嬢、その他全部担当のZaf氏による本プロジェクト。Skeltal Family直系の80'sポスト・パンクをベースとしながらも、ShoegazeのアトモスフェリアやElectro-Pop要素を織り交ぜた、正に現代に甦るPost-Punkといった態だ。全作品がLast.fmで聴けるが、この作風は2009年の1st"Pandemic"で既に完成を見ている…!ベースボーカル嬢ということで共通点を多くするSaints Of Ruinをより洗練した印象だ。

4枚目である本作は音のバリエーション、メロディアス度が飛躍的に増し何よりポップへの拡散が図られた疑いなく過去最高作だ。Post-Punk特有の性急なビートの中で様々な表情を見せるKarolina嬢のチャームボイス(ちょっとEmilie Autumnっぽい)、フューチャー=レトロ感満載の楽曲群は全9曲のボリュームを感じさせない程の密度を誇る。中でもメランコリックかつプログレ的展開にのけぞる"Millions Of Bones"と、彼らの新機軸であるトラッドなワルツの表題曲"The Organ Grinder Song"は傑作といっていい。繰り返すがこれがFree Download…つまり揺るぎないクオリティへの自信の証左なのだ…!アルバムオブザイヤー候補のひとつと言えよう。

【Favorite Number】 Millions Of Bones / Fakir / The Organ Grinder Song / Hazard Card



Blossomy ParksThe Organ Grinder Songs
Escarlatina Obsessiva

曲名リスト
1.Crystal Ball
2.Place in a Trance
3.Millions of Bones
4.Fakir
5.Emerald Green
6.Lightning Bug
7.The Organ Grinder Song
8.Blue Bird
9.Hazard Card

オフィシャルで詳しく見る


Escarlatina Obsessiva − Place in a Trance
Escarlatina Obsessiva - Millions of Bones


Fairytale
Saints of Ruin
B0018YDNO2
Full Powers
Cruel Black Dove
B001AU6GCU
Unwant
Hatesex
B000BDIYPE
posted by kerkerian at 02:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | Alternative | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする