2010年07月29日

Soundpool / Mirrors In Your Eyes(2010)

US発、Dream-Popバンドの3rdアルバム。

Disco/HouseオリエンテッドのShoegaze、所謂Discogazeに相当する彼ら。好みにどストライクにも関わらずこれまでノーマークでした。有力候補は幾つかあるものの決め手に欠いていた私的2010アルバムオブザイヤー賞レースに於いて、このアルバムの1曲目が鳴った瞬間に「当確」ランプが点りました。それはもうヤワラ議員(笑)並みのスピードで。

電子音楽+シューゲイズといえば、90年代初頭のCurve名作"Doppleganger"が真っ先に思い浮かびますが、Soundpoolはそこまで内省的ではなく、New-Wave的な解放感は寧ろその少し前の時代のTransvision Vampあたりに近い印象。美しいギターフィードバックに彩られながらも、Kim嬢のVoはメロディ、声質とも輪郭をはっきりと浮かび上がらせていて、この辺の今様な手触りはSchool Of Seven Bellsに通じるものがある。

あとはバンド編成だけあって、エレクトロニクスを前面に押し出しながらも同時に生々しさ、ダイナミズムが息づいているのも彼らの特徴。Psychedelic愛聴者にもお楽しみ頂ける逸品です。ともあれこのDiscogazeというジャンル、もっと掘り下げてみたくなった。



Mirrors in Your EyesMirrors in Your Eyes
Soundpool

曲名リスト
1. Mirror in Your Eyes
2. But It’s So
3. Kite of Love
4. Makes No Sense
5. Sparkle in the Dark
6. I’m So Tired
7. That Sunny Day
8. Shelter
9. Listen

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After Years
Secret Shine
B0000WMZUG
Distance
Tears Run Rings
B003DMTI0K
Pop Art
Transvision Vamp
B000025A1F
posted by kerkerian at 02:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | Electro | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月27日

Pin-Up Went Down / 342(2010)

仏のポスト・ハードコアユニットPin-Up Went Downの2ndアルバム。
当ブログで紹介したアーティストでも屈指の変態性を誇る彼ら。例えばiwrestledabearonceRolo Tomassiなんかは静と動の変貌振り、楽曲の目まぐるしい展開を持ちつつも音楽性は割と一貫しているのですが、何しろこのPin-Up Went Downは何なのか解らない。その辺りの軸のぶれようは前作"2 Unlimited"でも感想を述べさせて頂いた。

ここで2枚目は丸く収まってしまうアーティストが多い中、彼らは更に変態路線の推進を選択。今作ではハードコア曲と、ボーカル+コーラスのみで構成されるミニマル曲を交互に並べることでさらに混迷を深めることに成功しています。Asphodel嬢のナチュラル、オペラティック、スクリーミング、そして電波声を駆使した縦横無尽な七色ボイスはどこまで芸達者なのかと驚嘆させられる一方で、ドラム/ベース/キーボード/サウンドエフェクト/デスボイス、そして全てのソングライティングを手掛けるAlexis Damien氏のマルチプレイヤー振りに脱帽。言わば変態の達人コラボによる倒錯の美学。それがPin-Up Went Downといえる。



342342
Pin Up Went Down

曲名リスト
1. Diapositive
2. Escargot
3. Porcelain Hours
4. Essence Of I
5. Khabod Of My Aba
6. Home
7. Vaginaal Nathrakh (feat. Andy Schmidt (Disillusion))
8. Pictures To Speak To
9. Murphy In The Sky With Daemons
1. Paralogical Sarabanda
11. Aquarium

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Anthology II
Akphaezya
B00194XJXG
There Be Squabbles Ahead (Dig)
Stolen Babies
B000I2JTHU
In a Flesh Aquarium
Unexpect
B000GW8PUE
posted by kerkerian at 00:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | Alternative | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月26日

Dark Orange / Clouds, Paperships and Fallen Angels(2010)

80年代にShoegazerサウンドで一世を風靡したCocteau Twins。
解散から10数年を経た今なお、そのエンジェリックボイス+多層的ギターワークは多くのEthereal-waveバンドのみならず、その対極に位置するGothic/Darkwaveにも多大な影響を与えている彼ら。

一方90年代初期に数枚のアルバムを出して活動停止、2008年に復活を遂げたドイツのDark Orangeも時代を同じくしながら4AD系のフォロワーとして知る人ぞ知る存在。そんな彼らの17年振り(!)オリジナルアルバムが本作。何とCocteau Twinsの中心人物ロビー・ガスリーによるプロデュースである。

透度が高く、歌詞もメロディも明瞭なKatrin嬢のボーカル。そして楽曲のミニマルなアレンジはCocteauでいうと後期の"Four-Calendar Café"あたりの作風を彷彿とする。やはり薄っすらホワイトノイズがかったアトモスフェリックなサウンドは紛れもなくガスリーのそれだ。素晴らしいキャチーさと一握りのマニアックさが奇跡的に融合。

数年前に話が持ち上がりながらも、実現に至らなかったCocteauの再結成。それが叶っていたらこんな感じだったのだろうか。そんな夢想を抱かせる素敵な21世紀版Dream Popである。



Clouds, Paperships and Fallen AngelsClouds, Paperships and Fallen Angels
Dark Orange

Album Tracks
1. Dreamygreen
2. Memories…The Fairy Man
3. Out Of China
4. Paperships Sail
5. Seaweed And Luffa
6. The House Of The Heart
7. Clouds 4 Winds
8. Dead! The Witch
9. Monkey Business
10. Storms In The Sailors Eyes
11. Rosebud June
12. Fallen Orange Angel
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Tears in Rain
This Ascension
B00000DG4M
Ardor
Love Spirals Downwards
B000XCZCFI
Detrola
His Name Is Alive
B000CZ0Q7U
posted by kerkerian at 02:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | Electro | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月23日

Start Up / Start Up(2010)

ウクライナのEmo/Nu-MetalバンドStart Upのデビュー作。
小麦とアンドリー・シェフチェンコくらいのイメージしかなかった同国。しかし恐るべきポテンシャルを秘めたブランニューアーティストが登場した。
あれ、この入りなんか既視感が。

モダン・ヘヴィネスを軸にエモーショナル・パンク、プログ・メタルのエッセンス、さらにはエレクトロ要素まで散りばめた何でもありなロックです。さながらカニ、ホタテ、ウニ、イクラ、マグロの海鮮丼全部乗せな態だ。まず耳が行くのは揃いも揃ってやり過ぎなツインギター。殆どの楽曲でタッピングスウィーピング、終始弾きまくりなんである。

しかしそれでいて楽曲を崩壊させることなく、寧ろドラマティックに引き立てているのは、彼らを従えるVoのValentina嬢の存在。Guano Apesの影響を公言するだけあり、時にバイオレンスに、時に諭すように歌うSandra Nasic嬢ばりのストレンスを備えた実力派です。

そんなクオリティでありながら、
このアルバムは驚くべきことにAbsolutely free to download!!

奇しくも同系の音楽性をもつThe Nuri同様、
まるっと無料ながら十分にアルバムオブザイヤーの資格たる作品である。
海鮮丼全部乗せがタダってんなら、これは食べない手は無い。



Start UpStart Up
Start Up

曲名リスト
1. Intro
2. Сяйво
3. У самого края
4. Коли сонце згасне
5. Ніколи
6. В отражении
7. Шаги в темноте
8. Серце моє
9. Сльози сонця
10. Знищення(feat. Евгений (bender) Ряд)
11. Янгол
12. А.М.

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Masquerade
The Nuri
B001F0K05E
Fixed at Zero
Versaemerge
B003KNDM3Q
Star-Crossed Wasteland
In This Moment
B003P93HLM
posted by kerkerian at 00:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | Alternative | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月19日

Suicidal Romance / Shattered Heart Reflections(2010)

エストニアのDarkwaveユニット、Suicidal Romanceの2ndアルバム。

Gravitator Recordsよりリリースの1st"Love Beyond Reach"が好評を博した彼ら。今作はReaper、Frozen Plasmaで知られるVasi Vallisをプロデューサーに迎え制作。その影響か、従来のロマンティシズム溢れるFuture-Popをベースとしながらも、よりEBM色が強くなっている。Dmitry氏のHarsh-Voiceによる攻撃的なパートとViktoria嬢によるメロディアスパートが2:8くらいの割合で、メリハリを押し出した結果キャッチーさがより際立ってきた印象。

欲をいえば楽曲毎の個性がもう少しあれば。1stではSynthとピアノが絡んだ"Lonely Tears"、"Love Beyond Reach"、"Lullaby"などメロウ・サイドの曲が合間にあったのですが、今作でそれに該当するのは"Dreamers"くらい。今後は「聴かせる」よりも「躍らせる」系に軸足を置くんだろう。それはそれで楽しみだけど。Darkwave界においてHelalyn FlowersBlutengelあたりとの真っ向勝負が期待されます。



Shattered Heart Reflections(Japanese Limited Digipak Edition)Shattered Heart Reflections
Suicidal Romance

曲名リスト
1. Interlude
2. Touch
3. Words That Change Everything
4. Make Me Blind
5. Love Stays The Same
6. Her Song
7. We’re Wanting More
8. Dreamers
9. Build Me A Heart
10. S.H.R.
11. Make Me Blind(STUDIO-X Hard Dance Remix)
12. Love Stays The Same(XP8 Remix)
13. Her Song(HELALYN FLOWERS Remix)
14. Make Me Blind(FGFC820 Remix)

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Review
Obscyre
B00002R2Q4
Opticus
Dust of Basement
B00004T96P
End.Klang
Irrlicht
B0009UBYHY
posted by kerkerian at 17:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | Electro | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月14日

Diabulus In Musica / Secrets(2010)

スペインの初優勝で幕を閉じた2010FIFAワールドカップ。
サッカー以上に思い入れのある国なので感慨もひとしおですが、暗黒音楽界に於いてはまだ新興国の域を出ない。そんなスペインから、世界標準になる可能性を秘めたGothic-Metalが飛び出した。

導入曲の"Renaissance"から、クワイアを導入した2曲目の"Come To Paradise"ではEpica、Within Temptationを思わせる仰々しいSynphonicサウンドが展開。そしてギターリフを主体とする剛性の高いアンサンブルに、サビのクサメロ全開な解放感は紛れも無くジャーマンメタルの様式美。そう、奇しくもサッカーのスペイン代表同様、オランダの華麗さとドイツの質実剛健さを兼ね備えた実力派。それがDiabulus In Musicaである。

勿論Metal界においては知名度、実績とも両大国には及びませんがデビューアルバムにして破格のクオリティ、Zuberoa嬢の静かなる激情を湛えたオペラティックボイスには、近い将来これらと肩を並べるかもしれない―そんな期待を抱かせるに充分のバンドです。

荘厳な歌声と共に随所で咲き乱れるアラビアンな旋律。
現代に甦る逆レコンキスタ、それはGothic界の千夜一夜物語…



SecretsSecrets
Diabulus In Musica

曲名リスト
1. Rennaisance
2. Come To Paradise
3. Nocturnal Flowers
4. Evolution's Whim
5. New Era
6. Lies In Your Eyes
7. Lonely Soul
8. The Seventh Gate
9. Ishtar
10. Under The Shadow (Of A Butterfly)
11. Beyond Infinity
12. The Forest Of Ashes
13. St. Michael's Nightmare

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Revamp
Revamp
B003F0GLVE
Divanity
Murder Of My Sweet
B002XG8LOG
Law of One
Echoterra
B002LHK80M
posted by kerkerian at 23:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | Gothic | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月11日

Rolo Tomassi / Cosmology(2010)

UKのExperimental-Rock、もしくはMathcoreを標榜するRolo Tomassiの2ndアルバム。

一定の型を持たないポスト・ハードコア的な爆音をベースに、何とも可憐なルックスのEva嬢がスクリーミング9割、キュート声1割で髪を振り乱す。そんなバンドです。歌のギャップ萌えという部分ではiwrestledabearonce、音楽的なところではAt The Drive-Inあたりを彷彿します。あと所々のJazz的展開にThe Jesus Lizardsを見たり。決して珍しくはないんですが、矢張り可愛い女の子がVoってところが全てです。

激情と静謐を絶えず行き来する演奏力は折り紙つき。特にサイレントパートでのTrip-Hop的な浮遊感や、1曲目〜2曲目までずっと流れている、FFVのクリスタルルームみたいなBGM。この8-bit音に代表されるエレクトロなセンスも見逃せない。

欲をいえば彼らの存在を世に知らしめたSingle"I Love Turbulence"級のキラー曲が無いのは残念か。とはいえ1枚通しての完成度は僅か2年で飛躍的に上がった。先頃リリースされたPin-Up Went Downと併せて、押さえておきたい2010年の変態系音楽です。



CosmologyCosmology
Rolo Tomassi

曲名リスト
1. Katzenklavier
2. Agamemnon
3. House House Casanova
4. PArty Wounds
5. Unromance
6. French Motel
7. Kasia
8. Sakia
9. Tongue In Chic
10. Cosmology

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342
Pin Up Went Down
B003LZ38R8
Ypsilanti
Bloodlined Calligraphy
B000HIP45G
Lights Out
Fall River
B000BJDO4Y

posted by kerkerian at 21:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | Alternative | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月07日

The Last Void / State Of Mind(2010)

コスタリカのプログ・メタルThe Last Voidの1stアルバム。

まことに浅学ながら、サルサとかメレンゲとか所謂ラテン音楽、あるいはパウロ・ワンチョペくらいの知識が関の山だった同国。しかしこんなダークホースが隠れていようとは!変拍子や複雑な展開をみせる、プログレッシヴ・メタルを基軸としながらもメロディは非常に分かり易く、かつ尺もコンパクトに纏まっている良作です。マニアックに行き過ぎてともすれば自慰的になりがちなジャンルにおいて、このバランス感覚は白眉といっていい。

加えてVoのAdriana嬢の、熱過ぎず冷め過ぎない歌唱も絶妙。声量、声質とも申し分なく、テクニカルな演奏陣に埋もれることなく主張し過ぎることなく程好い絡み具合。要するに全体として弱点が見当たらないThe Last Void。この未だ見ぬ強豪、青田買いしておかない手は無い。



State of MindState of Mind
The Last Void

曲名リスト
1. Pain Part 1: Frustation
2. Kindergarden Stuff
3. Metal Mind
4. Icarus
5. M.A.F.A Interlude
6. Rebirth
7. Survive
8. Illusion
9. Shadow
10. Pain Part 1: Revolution

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No Light But Rather Darkness V
Karmic Link
B001F0K05E
Darkland
Evig Natt
B0038YICYG
Ordinary Fate
SOLISIA
B003JSZWVC

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2010年07月05日

Spectra Paris / License To Kill(2010)

イタリアの大御所エレクトロユニットKirlian Cameraの、セクシャルディーバElena Alice Fossiによるソロプロジェクト2ndアルバム。今回も期待通りのけしからんジャケット。(キリアンでのけしからなさはこちらを参照

Synth-Popにダークトランシーな味付けを施し、今様なサウンドに仕立て上げた前作WDead Models Society"。今作ではよりバンド色を押し出してはいるが基本テイストは踏襲。Elena嬢がより演技力に磨きを掛け、従来の柔らかな歌唱から、ヒステリックボイスまで巧く声色を使い分けている印象。

楽曲面では80'sニューロマテイスト溢れる"A Clockwork London"が秀逸。他にもインダストリアルとポップネスが融合した"Death Records"、アトモスフェリックな"Lost Highway Voices"など色とりどりのDarkwaveを展開。カラフルなダークってのも可笑しな話ですが。

2007年に続き2作連続でアルバムオブザイヤー入りしてしまいそうなクオリティを放ってきたSpectra Paris。恐ろしい子ッ!



License to KillLicense To Kill
Spectra Paris

曲名リスト

1.License to Kill
2.A Clockwork London
3.007 Gold
4.Movie Ghouls
5.Aston Martin Dbs
6.Carrie Satan
7.Death Records
8.Lost Highway Voices
9.S.I.S. Soundtrack
10.Phantoms Theme

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Shapes & Colours from the
Siderartica
B00064X8EU
Manifesto
Technoir
B000GY73G4
Heart Whose Love Is Innocent
Tristesse De La Lune
B0000UN24G
posted by kerkerian at 22:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | Electro | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする